ゲヴェルツトラミネール – アロマなやつら②

ぶどう

先日のワインスクールで飲んだオレンジワイン。これがゲヴェルツトラミネールメインのやつでして。フルーティな香りはしたけど、いわゆるテストに出るようなライチ!!みたいな香りはしなくて、改めてワイン深いなって思った所存です。

ということで、今日は試験では三つ巴の攻防、ヴィオニエ、トロンテスと並ぶ超アロマ品種三銃士のゲヴェルツトラミネールについて調べてみました。ぜひ、ご覧ください。

歴史

ゲヴェルツトラミネールの起源は、現在のイタリア北部、特にアルト・アディジェ地方に遡ります。その後、フランスのアルザス地方に移入され、今日ではアルザスを代表するブドウ品種の一つとなっています。ゲヴェルツトラミネールは、トラミネール種の変異種であり、ゲヴェルツ(ドイツ語で「香辛料」を意味する)が名前に付け加えられたのは、その強烈なアロマから。アルザスはドイツ文化圏でもありますので、この名前も納得ですね。

外観と香りと味わいの特徴

ゲヴェルツトラミネールのブドウは、ピンクから赤にかけて色づくことが特徴的です。これは、ワインが豊かで深い色合い、イエローやゴールド寄りの色を持つ理由となっています。熟しやすいゲヴェルツトラミネールのワインは、リッチでフルボディが特徴であり、アルコール度数もやや高めです。

香りは、バラやライチ、マスカット、スパイス、トロピカルフルーツを思わせる複雑で強烈、魅力的なアロマが特徴です。味わいにおいても、これらのアロマが感じられ、さらにはハチミツやジンジャーのニュアンスも加わります。甘口から辛口まで様々なスタイルが存在しますが、ゲヴェルツトラミネールの特徴的な甘さとアロマは、辛口の中にも感じられることが多いです。また、苦みが出やすいのもゲヴェルツの特徴のひとつです。

代表的な産地

フランス・アルザス地方

アルザスはゲヴェルツトラミネールにとって最も象徴的な産地であり、そのクオリティの高さで知られています。アルザス地方は、ライン川の西、ヴォージュ山脈の東側に位置し、山脈が雨影効果を生み出すため、非常に乾燥して日照に恵まれています。この気候は、ゲヴェルツトラミネールのアロマを凝縮させるのに理想的です。アルザスのゲヴェルツトラミネールは、リッチで複雑な花やスパイス、果実のアロマが特徴で、しばしば長い余韻を持ちます。特にグラン・クリュの畑で作られるワインは、最高の品質を誇ります。

イタリア・アルト・アディジェ地方

アルト・アディジェは、イタリア北部のアルプス山脈に位置し、ゲヴェルツトラミネールの重要な産地です。こっちもアルザスと同じドイツ系の文化圏です。この地域は、昼夜の温度差が大きく、ブドウの成熟期に果実の酸味と糖度のバランスを保つのに役立ちます。アルト・アディジェのゲヴェルツトラミネールは、清涼感のある酸とエレガントな花の香り、スパイシーなノートが特徴で、非常にバランスが取れています。

ドイツ

ドイツでは、ゲヴェルツトラミネールは主に南部のバーデン、ファルツ、ラインヘッセンで栽培されています。ドイツのゲヴェルツトラミネールは、より軽やかで、酸味が際立つスタイルを呈しています。ドイツの冷涼な気候は、鮮やかな酸味とフレッシュなフルーツのアロマを保つのに適しており、飲みやすいワインを生み出しています。

アメリカ・カリフォルニア州

カリフォルニア州では、特にソノマやメンドシーノのような冷涼な海岸地域でゲヴェルツトラミネールが栽培されています。カリフォルニアのゲヴェルツトラミネールは、果実味豊かで、よりトロピカルフルーツや柑橘類のアロマが感じられます。新世界のワインらしく、スイートでフレッシュなスタイルで、広い層に受け入れられています。

ニュージーランド

ニュージーランドでも、特に南島のマールボロ地区や北島のギズボーン地区で人気があります。ニュージーランドのゲヴェルツトラミネールは、新鮮な酸味とエキゾチックな果実のフレーバーが特徴で、とてもフレッシュで生き生きとした印象を与えます。

カナダ

カナダでは、特にブリティッシュコロンビア州のオカナガンバレーとオンタリオ州のナイアガラ・ペニンシュラでゲヴェルツトラミネールが栽培されています。カナダのゲヴェルツトラミネールは、半甘口から甘口のスタイルも多く、リッチなテクスチャーと複雑な香りを持っています。冷涼な気候は、酸味と甘味の間のバランスをうまく絶妙。

ということでアルザスのリッチで複雑なスタイルから、アルト・アディジェのエレガントでフレッシュなスタイル、そしてカリフォルニアやニュージーランドの果実味豊かなワインまで、ゲヴェルツトラミネールは各地でその土地の気候と土壌の影響を受けながら、独自の魅力を発揮しています。でも、これって結構、全部冷涼なんですよね。リッチだから温暖、ではなくて冷涼産地なんです。カリフォルニアでもソノマだし。つまり、温暖だと、パワフルすぎちゃうということなのかな?

ペアリングに合う料理

ゲヴェルツトラミネールの豊かなアロマとフルボディは、スパイスの効いた料理やアジア料理とのペアリングに最適です。特に、タイ料理やインド料理のように、香り高いハーブやスパイスをふんだんに使った料理は、ゲヴェルツトラミネールのアロマとマッチします。例えば、レモングラスやコリアンダー、カルダモンを使ったタイのグリーンカレーや、インドのマサラを使った料理とは絶妙なペアリングになりえます。これらのスパイシーな料理とゲヴェルツトラミネールを組み合わせることで、ワインのフルーティーさとスパイスの深みが互いを引き立て合います。

また、ゲヴェルツトラミネールは、フランスのアルザス地方の伝統的な料理、例えば、フォワグラやスモークされた魚とも非常に良く合います。地元同士だから鉄板ですよね。フォワグラの濃厚な味わいとワインのアロマが絶妙に調和し、シンクロします。スモークされた魚の場合、ゲヴェルツトラミネールのアロマがスモークの風味を引き立て、さっぱりとした後味を残します。チーズとのペアリングにおいては、特に、ブルーチーズやエポワスなどの強い風味のチーズと合わせることで、ワインの甘みとチーズの塩味がバランスよくなります。

というわけで、冷涼産地のリッチな奴。アロマ三銃士②のゲヴェルツトラミネール、いかがでしたか?アルザスラバー以外はそんなに飲む機会がないかもしれませんが、結構ブレンドするといい感じになるものも多いので(城戸ワインさんとか)、機会があったら是非楽しんでみてください!

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