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スペインは、太陽の恵みと地中海に面した恵まれた環境のおかげで、高品質な食材に恵まれた国です。スペイン料理は素材の持ち味を活かした素朴でありながら、情熱的な味わいが魅力です。
日本でも人気が高まってきたタパス料理をはじめ、パエリア、ガスパチョ、チョリソーなど、味が濃く、香辛料を使った料理が多いのが特徴です。そんなスペイン料理に合うのが、スペインワインです。
スペインは、スパークリングに辛口から甘口まで様々なワインが生産されています。土着品種から国際品種まで、ブドウの種類も多様です。スペインならではの個性的でパワフルな赤ワイン、フレッシュで果実味豊かな白ワインなど、どのワインも素晴らしい品質です。
スペインワインの魅力は、そのコストパフォーマンスの高さにあります。手頃な価格でありながら、流通量が少ないため、珍しい銘柄に出合えるのも面白いです。
スペイン料理とワインのペアリングは、同国の食文化を味わう上で欠かせません。料理に合わせてワインを選ぶと、それぞれの味が引き立て合い、素晴らしい調和が生まれます。本記事では、スペイン料理とワインを楽しむコツを、具体的なメニューとおすすめのワインを交えてご紹介します。
おいしい前菜から始めよう!スペインタパスとワインの珠玉のマリアージュ
スペイン料理を代表する前菜が「タパス」です。タパスとは、ピンチョスなどち呼ばれる、一口サイズの料理の総称です。バル(スペインの居酒屋)でワインを飲みながら、いくつかのタパスを楽しむのがスペイン流です。
定番のタパスといえば、イベリコ生ハム、オリーブ、マンチェゴチーズなどです。生ハムの上品な塩味とオリーブのコクは、白ワインの酸味と好相性。マンチェゴチーズの濃厚な味わいは、ちょっと厚めの白ワインか軽めの赤ワインが合います。
また、ポテト、チョリソー、エンパナーダ(パイ包み料理)などもよくあるタパスメニューです。ポテトにはガルナチャ地方の赤ワイン、チョリソーにはリオハの赤ワイン、エンパナーダにはシェリーがおすすめです。
更に、魚介のタパスも美味しいもの揃いです。ボケローネス(いわしのマリネ)、ムール貝のピルピル、アンチョビ、などなど。こういった前菜には、フレッシュで酸味の利いた白ワインが良く合います。アンダルシア地方の軽めの白ワインや、新酒のようなピュアな味わいのワインがおすすめです。
このようにスペインには多彩なタパスがあり、それに合わせて様々なワインが出てきます。酒の肴になる小皿がメインのスペイン式の食事では、順番にタパスを出しながらワインをつぎ足す、といった楽しみ方ができます。色んなタパスとワインのマリアージュを堪能できるのが最大の魅力です。
地中海の恵みに酔いしれる、魚料理とワインの饗宴
スペインは地中海に面した国だけあって、新鮮な魚介類に恵まれています。代表的な魚料理にガリシア地方のアヒージョ、バスク地方のピル・ピルなどがあります。
アヒージョはニンニクとオリーブオイルの香りが食欲をそそる一品です。この料理には、フレッシュな白ワインがぴったりです。アルバリーニョの酸味と、ニンニクの風味が好相性を醸し出します。
ピル・ピルはムール貝や魚介をガーリックオイルで煮込んだ料理です。濃厚でコクのある味わいなので、しっかりとした白ワインが合います。例えばゲヴェルツトラミネールのようなフルボディの白ワインがおすすめです。
スペインでは魚を丸ごと調理する料理も多くあります。アンダルシア地方のロブスターの塩釜焼きなどがその一例です。塩ついた魚の旨味を堪能できる逸品で、やや厚めのフルボディの白ワインが良く合います。
赤ワインとも意外な相性の良い魚料理がスペインにはあります。バスク風スズキのコンフィやカダケスのような煮魚は、軽めのリオハの赤ワインが好相性です。魚の旨味と赤ワインのタンニンの絶妙なバランスが楽しめます。
このように、スペインには地中海の新鮮な魚介を使った様々な魚料理があり、それぞれにワインとの絶妙なペアリングが存在します。地中海の恵みと、スペインワインの味わいを同時に堪能できる、食通にはたまらない組み合わせばかりです。
スペイン料理の王者!パエリアとワインの絶品マリアージュ
スペイン料理の料理と言えば、やはりパエリアが代表格です。地域によってレシピは様々ですが、基本的には炒め物の要領でご飯に具材を入れて調理します。
定番中の定番は、バレンシア風の肉料理入りのパエリアです。鶏肉、ソーセージ、エビなどが入っていてボリューム満点。こういったパエリアにはリオハのレゼルバクラスの赤ワインが良く合います。タンニンとパンチのある味わいがパエリアの濃厚な味を引き立ててくれます。
一方、素材を生かしたシンプルなパエリアもあります。たとえばマドリード風の白身肉のパエリアなどです。こちらはややライトな赤ワイン、例えばリオハの軽めのクリアンサがおすすめです。
また、魚介が入ったパエリアもスペイン各地で食べられています。特にシーフードのパエリアは有名で、エビやムール貝、タコなどが入っています。こういったシーフードパエリアには、ひとくせある個性的な白ワインがピッタリ。アルバリーニョの白ワインなどがお手本です。
甘美なデザートとワインのハーモニー
スペイン料理を語る上で欠かせないのが、デザートとワインのペアリングです。スペインには濃厚で味わい深いデザートが数多くあり、それに合わせて上質な甘口ワインが慈しまれています。
代表的なデザートが「クレマ・カタラーナ」です。卵の黄身を使った濃厚なプリンに、キャラメルソースをかけた一品です。こんなリッチなデザートには、ぺドロヒメネスのような甘口ワインがピッタリ。芳醇でコクのある味わいが卵の風味を一層際立たせてくれます。
「チュロス」もスペインを代表するデザートの1つです。サクサクの生地に蜂蜜をつけて食べる定番メニューです。こんな素朴な味わいのデザートには、フルーティーで甘みの強いモスカテルがおすすめです。蜂蜜の甘さと相まって、味わい深い一皿になります。
もちろん、チーズ好きのスペイン人ですから、チーズのデザートも存在します。マンチェゴチーズを使ったタルトやケーキなどがその例です。こういった芳醇で塩気のあるチーズデザートには、ナッツの香りが印象的なオロロソ・クリームのシェリーが抜群に合います。
極上の味わいを存分に堪能できるのが、スペインデザートとワインのペアリングの最大の魅力です。是非この機会に、充実のスイーツタイムをお過ごしください。
スペインの食文化を味わい尽くす、ワインとの理想のペアリング
ここまでスペイン料理とワインのペアリングについて、おすすめメニューとワインの組み合わせをご紹介してきました。最後に、ペアリングのコツとポイントをまとめます。
ポイント1:基本は「ワインに地域性を持たせる」 地域の食材と風土に合わせて、その土地のワインを選ぶことが肝心です。例えばパエリアならバレンシアのワイン、チョリソーなら近隣のナバーラの赤ワインといった具合です。料理とワインが同じ土地の産だと、より調和が取れます。
ポイント2:「料理の重さとワインの重さを合わせる」
料理が濃厚であればフルボディのワイン、さっぱりとした料理ならライトなワインを合わせるのがベターです。滑らかにフードとワインが重なり合うよう心がける必要があります。
ポイント3:「料理とワインの風味の相性を見極める」
魚介料理にはフレッシュな酸味の白ワイン、チョリソーのような重い肉料理には渋みのある赤ワインを持ってくるなど、味の方向性を合わせるのがコツです。方向性がマッチングしていれば、料理が更に美味しく感じられます。
このようなポイントを押さえつつ、私なりのおすすめのペアリングを1品ご提案します。
それは、アーモンドを使った伝統的なデザート「アーモンド・トルテ」と、シェリーのアモンティリャドです。デザートの上品な甘みとアモンティリャドのナッツの香り、ドライな味わいが見事に調和します。料理とワインが同じスペイン産であり、重さとフレーバーもリンクしているため、ペアリングとして最高です。
このように、ワインを選ぶ際は地域性や料理の重さ、風味を意識すれば、素晴らしいマリアージュを生み出せるはずです。スペイン料理の個性的でインテンスな味わいと、スペインワインの芳醇さや果実味が見事にリンクします。料理に合わせてワインを選ぶ楽しさ、ワインを合わせることで料理が一層美味しく感じる喜びを、ぜひ存分にご堪能ください。
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