辛いものとワインのペアリング

北極ラーメン ペアリング

激辛マニアの僕ですが、辛い料理とワインをうまく合わせるのは本当に難しいです。

スパイスの刺激、そして時に汗が噴き出してくるほどの激しい辛さ。このような強烈な味わいに、ワインはどう向き合えばよいのだろうか、いつも悩ましいです。

ワインは繊細で上品な味わいが美しいです。辛さと渋みの強い料理に合わせるワインを選ぶのは、まさに板挟み。しかし、もし素敵な組み合わせを見つけることができれば、それはかけがえのない喜びになるでしょう。ワインの柔らかな酸味が辛さを適度に和らげ、しっかりとしたボディが濃厚なスパイスの風味を受け止め、さらに香り高いアロマが加わる。料理の味が立体的に、そして深みを増して口の中に広がっていく。

食を愉しむ上で、ペアリングの重要性が近年改めて見直されています。最も挑戦的で、そして満足度の高い組み合わせが、辛い料理とワインにあるのかもしれません。そして偶然の出会いを気まぐれに試すよりも、体系立ったアプローチで理に適った組み合わせを探る方が得策でしょう。

基本的な考え方

北極ラーメン

辛い料理に合うワインを選ぶ際の最も重要なポイントは、ワインに十分な酸味があることです。辛さは口の中で強烈な刺激を与えますが、ワインの酸味がそれを和らげ、中和する役割を果たします。酸味の乏しいワインでは辛さに押されてしまいます。続いて気を付けるのは、タンニンです。多くの辛い料理には苦みを含むスパイスが使われており、タンニンが強すぎるワインを合わせると二重に渋みが増幅されてしまいます。赤ワインを選ぶ際は、タンニンが控えめで丸みを帯びたものがよいでしょう。一方でアルコール度数が高めのワインは好ましいと考えられます。アルコールの刺激が辛さを受け止め、余韻に残る辛味をすっきりと感じさせます。13%以上のしっかりとしたボディが理想的です。最後に香りです。辛い料理に合う香りとしては、フルーティーでジューシーなニュアンスが適しています。スパイシーな風味とうまく調和し、より豊かな味わいを生み出します。このように、酸味、渋味、ボディ、香りのバランスをとることが、辛い料理に合うワインを選ぶ上での重要です。次に実際の料理とワインの組み合わせ例を見ていきます。

代表的な辛い料理とワインのペアリング例

カレー

まずはカレー。赤ワインを選ぶ場合は、フルボディでタンニンが控えめ、しっかりとしたボディを持つものがよく合います。代表例としてジンファンデルがおすすめです。ブラックベリーやプラムのような濃厚な果実味とスパイシーなアクセントが、カレーの複雑な味わいとマッチします。白ワインではアロマティックで芳香豊かな品種が向いていteG、ゲヴェルツトラミネールなどがカレーの香辛料の風味を存分に引き立ててくれます。

タイ料理

タイ料理は南国の香り高いハーブやスパイスが効いた辛い料理です。インド料理よりクリーミーなことも多いです。赤ワインには、軽めの赤が合います。ボジョレー・ヌーボーのような軽快な赤ワインは、ラズベリーなどの赤い果実の香りがタイバジルやチリなどの風味を引き立てます。白ワインではソーヴィニヨン・ブランがおすすめ。ハーブのようなグリーンな香りと爽快な酸味で、辛さを綺麗に中和してくれます。

四川料理

パンチのある山椒や花椒の辛さが特徴的な四川料理には、グルナッシュ主体のコートデュローヌなどスパイシーな赤ワインが良く合います。ダークチェリーやスパイスのニュアンスが四川の香辛料の味わいとマッチします。白ワインではリースリングなど、辛口で酸味の効いたスタイルがおすすめです。すっきりとしたキレの良い味わいが四川料理の濃厚さを中和してくれます。

各料理のスパイシーさの度合い別ワインの選び方

辛い料理にはさまざまなレベルのスパイシーさがある。マイルドなものからかなり強烈なものまで幅があります。スパイシーさの度合いに応じて、ワインの選び方のポイントも変わります。

比較的マイルドな辛さの料理

タイ料理の一部やインド料理の中でもマイルドなものなど。この場合は酸味の強すぎないまろやかな白ワインや、軽めの赤ワインがおすすめ。白ワインではピノ・グリやヴィオニエ、赤ワインではボジョレー・ヌーボーやボージョレ・ヴィラージュ。

中程度のスパイシーさの料理

代表的なカレーや本格的なタイ料理、四川料理の一部など。ここではワインにしっかりとした酸味とボディが求められ、白ワインではリースリング、赤ワインではジンファンデルやグルナッシュベースのワインが良いマッチングです。

かなり強烈なスパイシーさの料理

特にスパイシーな四川料理や一部のカレー、ビンダルーなど¥。強烈な辛さを中和するには、きつい酸味とボリューム感のあるフルボディのワインが必要不可欠。シャルドネやリースリングの熟成スタイル、赤ワインではジンファンデル、グルナッシュ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど。

このように、料理の辛さの強弱に合わせて、ワインのボディと酸味のレベルを調整することが大切になります。

ワインの品種の特徴と辛さへの対応力

辛い料理に合うワインを選ぶ際、品種の特徴を理解しておくことも重要です。一般に以下の品種が辛さに強い対応力を持つと考えます。

【赤ワイン品種】

  • ジンファンデル濃厚なブラックベリーの風味とスパイシーなアクセントが辛さを受け止める。ボディもしっかりしており、辛い料理に対抗できる。
  • グルナッシュダークチェリーやスパイスの香りが四川など香辛料を使った料理に好相性。適度なタンニンとボリューム感があり辛さをうまくかわす。
  • カベルネ・ソーヴィニヨンしっかりしたタンニンと酸味で強烈な辛さにも対抗できる。ただしタンニンが過剰だと辛みが増すので、丸みのあるスタイルを選ぶ。

【白ワイン品種】

  • リースリングすっきりとキレのある酸味と芳香な香りで、辛さをよく中和する。ピーティグルナンなど特別熟成ものは濃厚な辛さにも合う。
  • ゲヴュルツトラミナーライチやジンジャーなどのアロマが辛さと調和。香り高く、ボディもしっかりしている。スパイシーな白ワインの代表格。
  • ソーヴィニヨン・ブランハーブのようなグリーンな香りと爽やかな酸味で、辛さを中和する。特にタイ料理などによく合う。

辛いものとワインの意外な組み合わせ例

一般的な辛い料理とワインのペアリングは前述の通りですが、実は意外な組み合わせでも合うペアリングがあります。例えばカレーと甘口の極甘白ワイン。カレーのスパイシーさとデザートワインの甘みの絶妙なハーモニーが合うこともあります。

実は相性が良いのがタイ料理とピノ・ノワールの組み合わせです。特にニューワールドのピノ・ノワールのフルーティーな香りとしなやかなタンニンが、タイ料理の複雑な味わいをすっきりと受け止めます。

これまでの常識を覆すような驚きのペアリングもきっとあるでしょう。トライアンドエラーを繰り返してみてください。

まとめ

辛い料理とワインのペアリングは、一見相反するものを組み合わせるように思えて実は意外な調和が生まれる分野です。基本的には酸味とボディのあるワインを選び、辛さを中和する力強い味わいを活かすことが肝心です。しかし、そのような一般論にとらわれずに、ワインの持つさまざまな個性的な味わいを活用することで、新たな出会いが生まれる可能性も秘めています。繊細でエレガントなピノ・ノワールが想像を絶するタイ料理と意外な相性を見せたりと、トライアンドエラーをしてみましょう。ワインは多様な味わいとキャラクターを持ち、辛さへの強さはもちろん、フルーティーな香り、重厚な渋味、芳醇な甘み、爽やかな酸味など、さまざまな味わい要素を組み合わせることができます。この広がりこそが、ワインと辛い料理の可能性を無限に広げています。

辛いものとワインという、一見袂を分かつような領域でさえ、素敵なペアリングが存在します。ぜひそれを見つけ出して欲しいです。

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