2024年1月15日、前年の ワインエキスパート二次試験 の模範解答が発表されたらしいので雑感。特に赤ワインの香りの回答が前年までの傾向と比べて違っており、びっくり。
雑感の前に、改めて自分の解答のおさらい。
ちなみに模範解答はこのページで見られるようです。模範解答はソムリエ協会員の会員サイトに掲載されているものですので、当ページでは掲載いたしません。
ワインエキスパート二次試験解答のおさらい
第1問 (回答)フランス・ソーヴィニヨンブラン2021 (正解)チリ・ソーヴィニヨンブラン2021
第2問 (回答)豪リースリング2021 (正解)豪リースリング2021
第3問 (回答)亜マルベック2020 (正解)フランス・グルナッシュ2021
第4問 (回答)日本メルロ2018 (正解)スペイン・テンプラニーリョ2017
第5問 (回答)ジン (正解)ジン
某S木メソッドの採用方式だと(各1点、ビンテージ2点、国とその他酒類3点、品種5点)、第1問32点、第2問37点、第3問24点、第4問22点、第5問3点。計118点(満点167点)。70%強という感じでした。大事故はなし。例年でも合格基準です。
ということで一つ一つ雑感。
(1)チリ・ソーヴィニヨンブラン
32/41点
実は夏ごろはニュージーランドのソーヴィニヨンブランも分からなかったソーヴィニヨンブランイップス経験者の僕ですがw、集中的に飲んで、試験前は得意品種になってましたw
僕個人の見立てとしては…
最初の香りの印象は、アロマかな?微妙なところ。で、スワリングして嗅いだらかなり強い香り。はっきりと柑橘に草っぽさが感じられたので、ソーヴィニヨン・ブランかなと。ニュージーランドは昨年出ているからサンセールの強めかなと。チリというは忘れてた(笑)。
味わいも酸強く、12.5くらいかなとソーヴィニヨン・ブランに。一応トロンテスとシャブリも検討したけど、トロンテスは色合いと香りがもっと強いのと、シャブリも草っぽさの観点からソーヴィニヨン・ブラン寄りへ。
回答はほぼ想定通り。基本の柑橘青リンゴスイカズラ系でした。香りはほぼ満点。ただ、結構ピラジンがあり、本番は麝香にマークしたくらいアロマに感じました。華やかなが選ばれず、チャーミングが選ばれているのが意外過ぎる。度数も13%くらいあると思ったので、アタック、余韻がやや軽い、やや弱いだったのも意外。合わせて、グラスが「小ぶり」のみ正解だったのも分からない。アルコール度数が何度だったか知りたいです。
(2)豪リースリング
37/41点
豪リースリングは、賭けてきただけに9割以上取れてうれしいです。SBよりニュートラル寄りだと思ったのに、こっちは華やかなのか(笑)。僕はこちらはフレッシュな、にしました。直前で樽シャルと間違えたり、リースリング恐怖症だったけど、最後の1週間、豪リースリングを毎日飲んでよかったです。
第一印象はニュートラルか還元的か。スワリングしたらはっきりペトロール。きたー!という感じ。香りがシンプルでニュートラル寄りだったのでオーストラリアへ。毎日飲んでいたしね。一応シャルドネとアリゴテは検討。昨年出ている甲州は除外。でもペトロールだしな。酸も1より強く、舌の横だけでなく舌全体で捉えられる広がりでリースリングだと確信。
まさに基本の柑橘青リンゴスイカズラ系でした。ぺトロールもはっきりしてて、マークできたし、ほぼほぼ想定通りのコメントですが、こういう還元的なワインは「硫黄」をとれるように練習したいです。
ということで、今年のワインエキスパートの難題は赤でした。特に次・・・。
(3)仏グルナッシュ
24/41点
第一印象は、うん???だった。キャンディ香かバナナのような香りに、ちょっとフローラル、お花系やスパイスの香りが目立つ。色は相当紫がかっていて濃い。ちょっとMBAもちらついたけど濃いので違うかなと。
味わいはやや強くて13.5のイメージ。タンニン力強い系と判断して重め紫系へ。フランスシラーが第一印象だが昨年出ているのでさすがにないかなと。マルベックとオーストラリアシラーズで迷うが、シラーズだともっと果実ジャム、チョコレートかなと思い勝負のマルベックへ。帰りTwitterでMBAと答えた人がが思いの外多くて焦る。正直、ピノラバーとしてピノ・ノワールはないと信じてた。
結果、思ったより強いワイン寄りに回答が振れた感じ。バナナ香でMBAにしたひとはやっぱり爆死したのでは?個人的にも自信がなかったけど、強めに感じたのは間違いではなかった。ちなみに次と合わせて色調は1つしか取れなかったです。色調は最後まで分からず。
香りが想定外。花が一つも選ばれていないのは相当レアで、熟成を表す土系も選ばれていないのもレア。フレッシュなワインかな?と思えば評価はフレッシュが選ばれてない。ちょと特殊なワインだったので回答も特殊なのでしょうか・・・。矛盾を感じます。
それよりトマトってどういうときに使うのさ?
私は、香りの特徴で果実系はブルーベリーのみ正解でした。
味わいは力強い系にマークできたので、甘味以外正解。解答見たらアルコール度数14%を超えてたかな?と思います。
(4)スペイン・テンプラニーリョ
22/41点
第一印象はグランポレール長野メルロー、毎日飲んでいたやつ(笑)。もうここで回答が固まってしまった。オレンジがかって縁が明るく、アメリカンオークが目立ち、味わいはオーク香に比べて軽くてストラクチャーをあまり感じず、タンニンは溶け込んでいる感じ。一応、先入観は禁物なのでグランポレール13.0だし、サンジョベーゼに振れてもいいようにコメントは回答したつもりだが…。アメリカンオークならSGよりテンプラだよな、と自分にがっかり。
回答の香りのコメントはグルナッシュよりもっとびっくり。確かに熟成しているし熟成香と木樽香が強かったですが、フレッシュな果物がブラックチェリーのみ正解、花がゼラニウムしかない。
こんな回答、過去にある?
確かに熟成をメインに取れば、干しプラムや乾燥イチジクなど乾燥フルーツ系やドライハーブ、タバコは優先的に取らなきゃいけないんですけど、一般呼称としては難しすぎる。また、アメリカンオーク樽はっきり感じたのに、ヴァニラもローストも選ばれてなくて。この香りは何で表現されているのか、誰か教えてほしいです。今後スクールとかの解釈求む。コーヒーとチョコレート?
ただ、甘草が万能なのは改めて分かった。
日本のメルロと回答したけど、強めに感じてマークしたので、味わいは満点でした。これは本当に良かった。
総論
ワインエキスパートの回答を見て、今年は改めて赤が難しかったと感じました。特に香りの取り方が例外的と感じました。ワインが例外的だったのでしょう。
結局のところ、品種ではなく、目の前のワインに向き合うことが大切なのだと思います。同じ品種でもワインは千差万別。今回は両方王道ではなかったし、品種にとらわれずマークが出来たので、味わい部分で点が稼げました。ただし、今年もしっかり、甘草は両方回答に。
ということで、改めて、合格してよかったと思うとともに、必死に勉強した苦手分野でしっかり点が取れたのがうれしかったです。
ほんと、ソーヴィニヨンブラン・イップスもリースリング恐怖症も、時々破綻するアルコール度数センサーにも悩まされましたよwアルコール度数、味わいが苦手で最後詰め込んできたし、赤の味わいはほぼ満点なので、それが結果に出たのでちょっとうれしい。
でも、まだまだ実力が足りないし、もっと勉強を続けていかなければと思いつつ、でも、今年は勉強でなく、ワインを美味しく楽しむことを優先しますw
試験はしばらく疲れたよw
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