フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア – 先日、アルムローンさんでこちらの郷土料理とワインを楽しませていただきました。この州は個性的で面白くて、個人的にも好きなので、より深く調べてみました。
美味しかったね、ワイン。
ということで、ぜひご覧ください。
歴史
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州のワイン造りの歴史は古く、ローマ時代にまで遡ります。中世を通じて、この地域はさまざまな支配者の下で繁栄し、その歴史的変遷はワイン造りにも多大な影響を与えました。特に、ヴェネツィア共和国の時代には、この地域のワインは広く交易され、その品質が高く評価されていました。
地理と文化
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州は、アルプス山脈の麓からアドリア海にかけてあります。この多様な地形は、異なる気候帯を生み出すため、多様なワイン造りに適した環境です。歴史的にも地理的にも様々な文化の影響を受けているので、ラテン、ゲルマン、スラブの影響を受け、多様なワイン造りにも反映されています。
気候と土壌
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の気候は、海洋性気候と大陸性気候の特徴を併せ持ちます。冬は冷涼で、夏は温暖かつ乾燥しています。土壌は、石灰岩、砂岩、粘土を含む多様な種類があり、これがワインに複雑さと多様性をもたらしています。
ワインの特徴
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州のワインは、その清潔感と鮮明な酸味、ミネラル感に特徴があります。白ワインは特に評価が高く、果実の味わいと共に、しばしばアーモンドやハーブのニュアンスを持ち合わせています。赤ワインは、しっかりとしたタンニンと果実味のバランスが取れており、特に食事との相性が良いとされています。
主な生産地域とぶどう品種
この州のワイン生産の中心地は、コッリオ、コッリオリエンターレ、イゾンツォなどです。
以下、4つのDOCGがあります。
Ramandolo:主にヴェルドッツォ・フリウラーノ種から造られる、甘口のワインです。
Colli Orientali del Friuli Picolit:ピコリット種から造られる、非常に希少価値の高い甘口のワインです。
Lison:このDOCGは、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州とヴェネト州にまたがる地域で生産される白ワインに与えられます。フレッシュでエレガントな味わいが特徴です。
Rosazzo:このDOCGは、白ワイン用のブレンドで、特にこの地域の伝統的なぶどう品種を使用しています。エレガントで複雑な香りが特徴です。
代表的なぶどう品種には、白ワインではフリウラーノ、ピノ・グリージョ、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネが、赤ワインではメルロ、カベルネ・フラン、ピノ・ネロがあります。
土着品種
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州は、土着品種の豊富さによって特に注目されるイタリアのワイン生産地域の一つです。まあイタリアはどこも土着品種多いですが。
以下は、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州で特に重要な土着ぶどう品種です。
フリウラーノ (Friulano)
かつてはトカイ・フリウラーノとして知られていたフリウラーノは、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州を代表する白ワイン用品種です。アーモンドのノートや草本類のアロマが特徴で、酸味がしっかりとしており、ストラクチャーがあります。
リボッラ・ジャッラ (Ribolla Gialla)
リボッラ・ジャッラは、この地域固有の古代から存在する白ワイン用ぶどう品種で、鮮やかな酸とミネラル感、フルーツと花のアロマが特徴です。スパークリングワインから静かなワイン、甘口のスタイルまで幅広いワインが生産されます。
ピコリット (Picolit)
ピコリットは、非常に高品質な甘口ワインを生産するために使われる希少な白ワイン用ぶどう品種です。Colli Orientali del Friuli Picolitに使われます。その生産量の少なさと、繊細なフローラルアロマと果実味で高く評価されています。
ピニョーロ (Pignolo)
ピニョーロは、フルボディでタンニンが強い赤ワインを生産する土着品種です。長期熟成に適しており、スパイスや赤い果実、そして時には森林の下草のヒントを持つ複雑な味わいが特徴的。
スキオペットーノ (Schioppettino)
スキオペットーノは、スパイシーなペッパーのアロマと赤い果実のフレーバーが特徴の赤ワイン用品種です。エレガント系です。
レフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソ (Refosco dal Peduncolo Rosso)
レフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソは、力強いタンニンと鮮やかな酸、黒果実の味わいが特徴の赤ワイン用ぶどう品種です。熟成すると、さらに複雑な味わいが現れます。マニアックだけど美味しいフルボディが出来ます!
代表的な料理とワインのペアリング
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の料理は、シンプルながらも風味豊かで、地域のワインとのペアリングを楽しむことができます。例えば、地元のフリウラーノワインは、地元のサンダニエーレハムとの組み合わせが絶妙です。また、魚介類や白身魚の料理には、ピノ・グリージョやソーヴィニヨン・ブランがよく合います。
観光地
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州は、その豊かな文化遺産、美しい自然、そして優れたワインで知られるイタリアの隠れた宝石です。ワインラバーだけでなく、歴史、自然、美食を愛する旅行者にとっても魅力的な目的地です。ここでは、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の主な観光地をいくつか紹介します。
トリエステ (Trieste)
アドリア海に面したこの美しい都市は、豊かな歴史と文化、素晴らしい海の眺めを提供します。ミラマーレ城やサン・ジュスト城などの歴史的建造物、そして美しい広場やカフェで知られています。
ウーディネ (Udine)
ウーディネは、芸術と歴史の都市であり、ヴェネツィアン様式の建築物や中心部の美しい広場、ウーディネ城が有名です。ウーディネはまた、周囲のワイン生産地域へのアクセスポイントとしても理想的です。
アクイレイア (Aquileia)
世界遺産にも登録されているアクイレイアは、古代ローマ時代の重要な考古学的遺跡で知られています。素晴らしいモザイク床と古代遺跡は、歴史愛好家にとって必見です。
コッリオ (Collio)
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の最も著名なワイン生産地域の一つであり、その丘陵地帯は息をのむような自然美と共に、世界クラスの白ワインを生産しています。ワイナリー訪問や試飲は、この地域の旅行では欠かせない体験です。
グラードとリグニャーノ・サッビアドーロ
海岸リゾート。美しい砂浜と活気ある夜の生活で知られており、夏の間は特に家族連れや若者に人気です。
カルニアとジュリアン・アルプス
ハイキング、スキー、マウンテンバイクなど、四季を通じて多様なアウトドアアクティビティを楽しむことができる山岳地帯です。
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州は、歴史的な街並みから自然の美しさ、世界クラスのワインまで、誰が行っても楽しめる観光地です。
ナチュールワインについて
近年、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州では、ナチュールワイン、すなわち自然派ワインの生産に力を入れている生産者が増えています。
これらのワインは、可能な限り自然な方法で造られ、化学肥料や農薬の使用を極力避け、自然発酵によるものが多いです。ナチュールワインは、その生産方法から、土地の個性や特性をよりダイレクトに表現しており、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州はナチュールワインラバーの注目も集めていますよ。
以上、いかがでしたか?あまり日本に入ってこない地域でもありますが、4つもDOCGがある熱い生産地なのは間違いないです!ぜひ皆さんも試してみてください!
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