はじめに
シャトー・ムートン・ロートシルトは、ボルドー地方メドック地区のポイヤックに位置する著名なワイナリーです。メドックの格付け制度において、1973年に二級から一級に昇格した唯一のシャトーであり、その品質と歴史は世界中のワイン愛好家に広く知られています。
歴史と伝統
シャトー・ムートン・ロートシルトの歴史は、1853年にナサニエル・ド・ロスチャイルド男爵がこの地を購入したことに始まります。彼のビジョンと情熱がこのシャトーを特別な存在にし、その後も1922年のフィリップ男爵がボトル詰めでの出荷を始めるなど、ボルドーの代表的シャトーとして時代をけん引していきました。
ブドウ畑とワイン作り
シャトー・ムートン・ロートシルトのブドウ畑は、約90ヘクタールにわたり、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドの4種類のブドウが栽培されています。土壌は、砂利質の地質で、特にカヴェルネ・ソーヴィニヨン理想的な土壌となっています。
ワイン作りは、厳格な選別と手作業による収穫から始まり、最新の技術と伝統的な方法を組み合わせた醸造プロセスで行なわれます。オーク樽での熟成により、複雑な香りと深い味わいが生まれます。
アートラベル
シャトー・ムートン・ロートシルトのもう一つの魅力は、そのラベルデザインです。1945年以降、毎年異なるアーティストがラベルを手掛ける伝統があり、これによりムートン・ロートシルトは「飲む芸術作品」としての地位を確立しました。ラベルに採用されたアーティストには、ピカソ、シャガール、ダリなどの名だたる芸術家が名を連ねています。実は、ワイン愛好家が生まれた子供の誕生年のヴィンテージを買ったりするのですが、これは毎年ラベルが違うから、ということも理由しています。
試飲ノート
シャトー・ムートン・ロートシルトのワインは、力強さとエレガンスを兼ね備えた特徴があります。黒い果実の香り、スパイス、タバコ、そして熟成による革やトリュフのニュアンスが複雑に絡み合います。口当たりはしっかりとしており、長い余韻が続くのが特徴です。多くのヴィンテージが高評価を受けており、ワイン評論家や専門誌からも常に高い評価を得ています。特に1982年、1986年、2010年、2016年などのヴィンテージは、その品質の高さで知られています。
シャトーの訪問
シャトー・ムートン・ロートシルトは、ワインツーリズムの名所でもあります。見学ツアーでは、ワイナリーの歴史、醸造プロセス、そしてアートギャラリーを楽しむことができます。特に、ムートン・ロートシルトのラベルコレクションは一見の価値があります。
まとめ
シャトー・ムートン・ロートシルトは、メドック1級のなかでも、2級から唯一昇格したシャトーであり、毎年変わるアートラベルという点で。伝統と革新が見事に融合する稀有なワインです。もちろん、その複雑な味わいは誰もを魅了すること間違いないです！皆さんもぜひ、何かの記念があれば、その年のヴィンテージを購入してみては？
