司会:ノブ(ワインジャーナリスト)
志村さん(女性ソムリエ)
大木さん(ワインエキスパートエクセレンス)
ノブ:秋といえば、やはり松茸ですね。今年も松茸の季節がやってきましたので、今日もソムリエの志村さんとワインエキスパートエクセレンスの大木さんにお伺いします。皆さんは松茸とワインのペアリングについてどうお考えですか?まず、志村さんからお願いします。
志村:はい、松茸は本当に日本を代表する秋の味覚です。その香りと繊細な味わいを考えると、合わせるワインには慎重さが求められますね。特に、松茸の香りを損なわないように、あまり強すぎない、酸味やミネラル感が程よいワインを選びたいところです。たとえば、ブルゴーニュのシャルドネは香りと味わいのバランスが取れていて、松茸ご飯や焼き松茸にぴったりだと思います。
ノブ:ブルゴーニュのシャルドネですか!まろやかさがありながらも、松茸の繊細な風味を引き立てるんですね。大木さんはいかがですか?
大木:僕もシャルドネは王道だと思いますが、個人的にはニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランも非常に合うと思っています。ソーヴィニヨン・ブランはフレッシュな酸味とハーブのニュアンスが特徴で、松茸の土っぽい香りや旨味に相性抜群です。特に松茸の土瓶蒸しに合わせると、その清涼感が料理全体を引き締めてくれますよ。
ノブ:ソーヴィニヨン・ブラン、確かに松茸の香りとマッチしそうです。志村さんはどう思われますか?
志村:ソーヴィニヨン・ブランも素晴らしい選択肢ですね。私はアルザスのピノ・グリもおすすめしたいです。ピノ・グリは少し甘さを感じさせつつも、酸味とミネラル感がバランスよく、松茸の炊き込みご飯やバターソテーにすごく合います。松茸自体が淡白なので、ピノ・グリのふくよかな味わいが料理に豊かさを与えてくれます。
ノブ:ピノ・グリ、いいですね。松茸の優しい風味と調和しそうです。では、赤ワインとのペアリングについてはどうでしょうか?松茸にはやはり白ワインが主流だと思いますが、赤ワインを合わせる場合、どんなものが適していますか?
志村:赤ワインを合わせる場合、あまりタンニンが強くないものを選ぶことがポイントですね。たとえば、ブルゴーニュのピノ・ノワールは素晴らしい選択肢です。ピノ・ノワールは軽やかでありながら、土やキノコのようなアーシーな香りを持っているので、松茸との香りの相性がとてもいいんです。特に網焼きにした松茸にピノ・ノワールを合わせると、その軽やかな果実味と松茸の香ばしさが素晴らしく調和します。
ノブ:なるほど、ピノ・ノワールのアーシーな香りが松茸の香りと共鳴するんですね。大木さんはどうでしょう?
大木:僕はネッビオーロをおすすめします。ネッビオーロはバラのような華やかな香りがありつつ、適度なタンニンがあり、松茸料理のコクを引き立ててくれます。特に、松茸を使ったリゾットや、バルサミコ酢を使った料理にはネッビオーロが非常にマッチしますよ。松茸の風味とネッビオーロの複雑な香りが見事に融合するんです。
ノブ:ネッビオーロですか!意外な組み合わせかもしれませんが、確かにその華やかさが松茸の香りに合いそうですね。
志村:そうですね、ネッビオーロはいいアイデアだと思います。ワインの選び方次第で松茸の楽しみ方も無限に広がりますね。
ノブ:松茸といえば、伝統的には日本酒が一般的だと思いますが、ワインとの違いについてはどう思われますか?
志村:日本酒も松茸には非常に合いますが、ワインは酸味と香りの幅が広いので、松茸の新しい側面を引き出すことができます。たとえば、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランのような酸味のあるワインは、日本酒にはない爽やかさを持っていて、料理全体を軽やかにしてくれます。
大木:そうですね。日本酒は伝統的で素晴らしいですが、ワインを選ぶことで、特に海外のお客様にも松茸の魅力を伝えやすくなると思います。ワインと松茸のペアリングは、新しい食文化の提案としても非常に価値があると感じます。
ノブ:お二人の話を聞いて、松茸とワインのペアリングの可能性がさらに広がったように感じます。最後に、この秋のおすすめの松茸とワインのペアリングを一つずつ教えていただけますか?
志村:私は、ブルゴーニュのシャルドネと松茸の焼き物がベストです。シンプルな調理法だからこそ、ワインの香りが松茸を引き立ててくれます。
大木:僕はニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランと松茸の土瓶蒸しですね。フレッシュな酸味が松茸の旨味をさらに際立たせてくれます。
ノブ:素晴らしいですね!それでは、秋の松茸料理をワインと共に楽しんでいただけることを願っています。ありがとうございました!