オーストリアのワインの魅力

ワイン

結構最近、オーストリアのワインが好きです。アルコール低めで優しいものが多く、ドイツ系品種も多いので、割と日本ワインに近しいものを感じることがあります。これからどんどん日本で流行るのでは?ということで、今日はオーストリアのワインを特集します。

オーストリアワインの歴史

オーストリアはヨーロッパの中央に位置し、数世紀にわたりワイン造りが続けられてきた国です。その歴史は古く、ローマ時代にまで遡ることができます。中世以降、特に16世紀から17世紀にかけて、オーストリアはワイン生産の中心地として成長し、貴族や修道院を中心に発展していきました。その裏には、ハプスブルク家の影響がありました。しかし、20世紀初頭には世界大戦や経済の混乱により、ワイン産業は衰退の危機に瀕しました。

その後、1980年代に起きたワインスキャンダルをきっかけに、品質管理が徹底され、法律が整備されました。この事件は、オーストリアワイン業界にとって大きな打撃となりましたが、結果的に品質重視の改革をもたらし、オーストリアワインの名声を高めるきっかけとなりました。

オーストリアのワイン産地

オーストリアには、主に4つの主要なワイン産地があります。それぞれの地域は地理的・気候的特徴が異なるため、独自のスタイルと味わいが楽しめます。

  1. ニーダーエスターライヒ(Niederösterreich) これはオーストリアで最大のワイン生産地域であり、グリューナー・ヴェルトリーナーやリースリングの栽培で知られています。特に有名な産地にはヴァッハウ(Wachau)、カンプタール(Kamptal)、クレムスタール(Kremstal)があります。ヴァッハウは、ドナウ川に沿った急斜面の畑で、世界的にも評価の高いリースリングとグリューナー・ヴェルトリーナーが造られています。
  2. ブルゲンラント(Burgenland) この地域は、甘口ワインで有名なノイジードラーゼ(Neusiedlersee)の周辺で、貴腐ワインが特に有名です。また、ブルゲンラントでは赤ワインの栽培も盛んで、ブラウフレンキッシュやツヴァイゲルトといったオーストリア固有のブドウ品種が栽培されています。
  3. シュタイヤーマルク(Steiermark) 南部に位置するこの地域は、冷涼な気候を活かし、白ワインの生産が盛んです。特にソーヴィニヨン・ブランやヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)が有名です。この地域のワインは、ミネラル感が豊かで、フレッシュでクリスプな味わいが特徴です。
  4. ウィーン(Wien) オーストリアの首都ウィーンも、独自のワイン生産を誇ります。特に注目すべきは「ゲミシュター・サッツ」と呼ばれる、複数のブドウ品種を混植し、一緒に醸造するスタイルです。これにより、複雑でバランスの取れた白ワインが生まれます。

オーストリアの代表的なブドウ品種

オーストリアは多様なブドウ品種を栽培していますが、特に注目すべきは以下の4品種です。

  1. グリューナー・ヴェルトリーナー(Grüner Veltliner) オーストリアを代表する白ブドウ品種で、世界的に高い評価を受けています。この品種からは、ピリッとした酸味とスパイシーさ、そして時には白胡椒のようなニュアンスを持つワインが造られます。軽めのフレッシュなスタイルから、複雑で熟成可能なものまで幅広いタイプがあり、特にヴァッハウのグリューナー・ヴェルトリーナーは、世界的な評価が高いです。
  2. リースリング(Riesling) ドイツが有名なリースリングの産地として知られていますが、オーストリアのリースリングも高品質です。特にヴァッハウやカンプタール、クレムスタールで栽培されるリースリングは、優れた酸味と果実味、そして長い熟成能力を持っています。
  3. ツヴァイゲルト(Zweigelt) 1922年にフリッツ・ツヴァイゲルト博士が開発した赤ワイン用の品種で、ブラウフレンキッシュとサンローランの交配種です。果実味豊かで、滑らかなタンニンが特徴であり、日常的に飲みやすいスタイルから、しっかりとした熟成可能なワインまでさまざまなスタイルが楽しめます。
  4. ブラウフレンキッシュ(Blaufraenkisch) ブルゲンラントで主に栽培されています。オーストリアのプレミアム赤ワインといえばブラウフレンキッシュを思い出す方も多いでしょう。軽快なもの、果実味の強いものから、タンニンのしっかりした長期熟成向けのものまで幅広いワインが作られています。

オーストリアワインの分類と品質

オーストリアのワインは、法律で厳格に管理されており、その品質基準はEUの中でも非常に高いとされています。特に、原産地呼称制度であるDAC(Districtus Austriae Controllatus)が重要です。この制度は、特定の地域で生産されたワインにのみ与えられる名称で、各地域のスタイルや特徴を守りつつ、高品質のワインを生産することが義務付けられています。

例えば、カンプタールDACやクレムスタールDACでは、グリューナー・ヴェルトリーナーとリースリングのみにDACが認められており、その土地ならではの風味をしっかりと表現したワインが造られています。

また、ヴァッハウは独自の格付け制度を持っています。

オーストリアワインの現代的な魅力

近年、オーストリアワインは世界中で注目を集めています。その背景には、自然派ワインやビオディナミ(バイオダイナミック農法)への関心が高まっていることが挙げられます。オーストリアは、ヨーロッパでも有数の有機農法推進国であり、多くの生産者が自然環境に配慮したワイン造りを行っています。

特に、若い世代のワイン生産者たちは伝統と革新を融合させたアプローチで、世界のワインシーンに新たな風を吹き込んでいます。彼らは、テロワールを最大限に活かし、ミネラル感豊かで個性溢れるワインを生み出しています。

ペアリングの楽しみ

オーストリアワインは、その多様なスタイルから、さまざまな料理と相性が良いことで知られています。例えば、グリューナー・ヴェルトリーナーは、アジア料理や軽めの魚料理と抜群の相性を見せます。また、ツヴァイゲルトは、グリルした肉料理やパスタ、さらにはピザとも相性が良いです。オーストリアの貴腐ワインであるトロッケンベーレンアウスレーゼは、フォアグラやブルーチーズとのペアリングが絶品です。

結論

オーストリアのワインは、歴史の深さと現代的な革新性を併せ持ち、世界中のワインラバーたちを魅了しています。高品質で多様なスタイルが楽しめるオーストリアワインは、今後ますます注目を集めることでしょう。

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