ワインを選ぶとき、「赤」「白」「ロゼ」「オレンジ」という色の違いに迷ったことはありませんか?
見た目も味わいも異なるこれらのワインですが、実はその違いはブドウの品種や製法に秘密があります。
この記事では、ワイン初心者の方でもわかりやすいように、赤・白・ロゼ・オレンジワインの違いや製造方法を徹底解説します。これを読めば、次にワインを選ぶとき、自信を持って「今日はこのワインが飲みたい!」と思えるはずです。
1. 赤・白・ロゼ・オレンジワインの違いを一言で説明
ワインの色の違いは、「皮を使うかどうか」「皮をどれくらい漬け込むか」で決まります。
具体的には次の通りです。
- 赤ワイン:黒ブドウの皮・種・果肉を一緒に発酵(皮の色素で赤色に)
- 白ワイン:主に白ブドウを使い、皮を除いて果汁だけを発酵
- ロゼワイン:赤ワインと同様に黒ブドウを使うが、短期間だけ皮を漬ける
- オレンジワイン:白ブドウで赤ワインのように皮や種と一緒に発酵(琥珀色)
ワインの色の違いは「ブドウの種類」よりも「製法の違い」で生まれているのです。
2. ワインの製造プロセスを知ろう|基本の4ステップ
ワイン造りには次の4つのステップが共通しています。
1. 収穫(ハーベスト)
ブドウは収穫時期が味を左右する重要なポイント。酸味を活かしたい白ワインは早めに、甘さを引き出す赤ワイン用ブドウは遅めに収穫されることが多いです。
2. 破砕・圧搾(クラッシング&プレス)
ブドウを潰して果汁を取り出します。赤ワインは皮や種も一緒に発酵させるため、果皮を残します。白ワインはここで果皮や種を取り除きます。
3. 発酵(ファーメンテーション)
ブドウに含まれる糖分が酵母の力でアルコールに変わる過程。赤・ロゼ・オレンジワインは皮と一緒に発酵するため、色や香り、タンニンが抽出されます。
4. 熟成・瓶詰め(エイジング&ボトリング)
発酵後、ステンレスタンクや木樽で熟成。木樽を使うと香ばしいバニラやスパイスの香りが加わります。熟成期間後に瓶詰めされ、私たちの元へ届きます。
次の章から、ワインごとの特徴と製法を詳しく見ていきましょう。
3. 赤ワインの特徴と製造方法
🍷 赤ワインの特徴
- 色:深紅から紫、ガーネット色まで
- 味わい:果実味、タンニンによる渋み、豊かなボディ感
- 代表品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール
🛠️ 赤ワインの製造方法のポイント
黒ブドウの皮・種・果汁を一緒に発酵する「果皮浸漬(スキンコンタクト)」が特徴。これにより、タンニンやポリフェノールが抽出され、渋みやコクが生まれます。
発酵温度も高めで20~30℃ほど。これが豊かな香りを引き出します。
<おすすめの赤ワイン>
- カベルネ・ソーヴィニヨン(フルボディでしっかり)
- ピノ・ノワール(軽やかでフルーティー)
<ペアリング>
ステーキやラムチョップなど、肉料理全般が好相性です。
4. 白ワインの特徴と製造方法
🥂 白ワインの特徴
- 色:淡いレモンイエローから黄金色
- 味わい:爽やかな酸味やフルーティーさ
- 代表品種:シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング
🛠️ 白ワインの製造方法のポイント
白ワインは、果汁だけを発酵させるのが特徴。(スキンコンタクトさせる場合もあります)。
発酵温度は12~18℃と低めに管理され、フレッシュな香りや酸味が活かされます。
<おすすめの白ワイン>
- ソーヴィニヨン・ブラン(ハーブの香りと爽やかさ)
- シャルドネ(バターのようなコクのある味わい)
<ペアリング>
魚介やサラダ、クリーム系パスタが鉄板です。
5. ロゼワインの特徴と製造方法
🌸 ロゼワインの特徴
- 色:淡いピンクからサーモンピンク
- 味わい:赤ワインのコクと白ワインの爽やかさのバランス
- 代表品種:グルナッシュ、シラー、サンジョヴェーゼ
🛠️ ロゼワインの製造方法のポイント
ロゼワインの製法は主に3つ。
- セニエ法(Saignée):赤ワインの果汁の一部を早めに取り出してロゼに
- 直接圧搾法(Direct Pressing):黒ブドウを白ワインのように圧搾し淡いピンク色に
- 混醸法(Blending):赤ワインと白ワインを混ぜる(EUではスパークリング以外では禁止)
<おすすめのロゼワイン>
- プロヴァンス・ロゼ(フランス産で爽やか)
- テンプラニーリョ・ロゼ(スペインでフルーティー)
<ペアリング>
タパスやサーモンのマリネ、和食にもぴったりです。
6. オレンジワインの特徴と製造方法
🍊 オレンジワインの特徴
- 色:琥珀色や深いオレンジ色
- 味わい:白ワインのフレッシュさにタンニン由来の渋みが加わる
- 代表品種:リボッラ・ジャッラ(イタリア)、ルカツィテリ(ジョージア)
🛠️ オレンジワインの製造方法のポイント
白ブドウを赤ワインの製法で造るのが特徴。果皮・種ごと発酵することで、白ワインにはない渋みや深みが出ます。
発酵期間は数週間から数カ月。ジョージアのクヴェヴリ(地中に埋めた素焼きの壺)で造る伝統的な製法が有名です。
<おすすめのオレンジワイン>
- クヴェヴリ・ワイン(ジョージア産で本格派)
- フリウリ・ヴェネツィア・ジュリアのオレンジワイン(イタリア産で華やか)
<ペアリング>
スパイス料理や発酵食品(キムチやチーズ)と相性抜群です。
7. 4つのワインの違いを比較表でチェック

8. ワイン選びのヒントとおすすめペアリング
🍇 初心者におすすめの選び方
- まずは色と気分で選ぶ:爽やかなら白、しっかりなら赤。気軽さ重視ならロゼ、個性派ならオレンジ。
- 料理に合わせる:肉なら赤、魚介なら白、和食ならロゼ、エスニックにはオレンジ。
- 産地を意識する:フランス・イタリアはクラシックな味わい、チリやオーストラリアは果実味たっぷり。
9. まとめ
ワインの色の違いは、使うブドウの種類だけでなく、皮や種をどう扱うかで決まります。
赤ワインは皮も種も使って渋みを出し、白ワインは果汁のみで爽やかに。ロゼはその中間で、オレンジワインは白ワインの原料を赤ワインの製法で造るユニークな存在です。
次にワインを選ぶときは、ぜひ製法の違いを思い出しながら選んでみてください。きっと、ワイン選びがもっと楽しくなるはずです。
\ワインの世界へ、乾杯!🍷/