ワインエキスパート試験 – 今年も周りでちらほら、受けます!という人がいます。すでに「2次試験が難しそう」、「ブラインド教えてください」と言われるのですが、そんな方にまずひとこと。
とりあえず落ち着け(笑)
はっきり言って2次より1次のほうが難関で、1次の合格率が2次を上回ったことはないはずです。昨年合格率がめちゃくちゃ下がったから、今年は上がるはず、というのは根拠ない憶測です(私も上がると思ってますが、予想を裏切ってくるのがソムリエ協会です。)。
まずは1次試験に集中してください。覚えることがたくさんあります。
2次試験の準備は1ヶ月あれば充分だし、定性的な回答しかない官能試験なので、どこまでやっても100%受かるなんて自信は出ませんしかも下手に品種当てに走ると、逆に大事故を起こすのです。なので今は忘れよう(笑)。
さて、データをまず見ていきましょうか。
ワインエキスパート、ソムリエ試験合格率
ソムリエは昨年ガクッと下がりましたね・・・。ワインエキスパートは上がりましたが、これは昨年の2次の合格率が大幅に上がったため、昨年の2次のみ試験者がほとんど合格したからだと思います。
昨年は感覚的に、ワインエキスパートで1次が30%台、2次は80%を超えていたのではないかと思います。過去の平均合格率でも、1次が40%、2次が70%程度と言われています。
ほら、1次のほうが難しいです。2次は大丈夫です。
つまり、まずは落ち着いて、ブラインドは忘れて、1次試験に集中しましょう
品種当てに走ってはいけない
そして先程触れましたが、品種当てに走るのは危険です。
例えば昨年のリースリングのペトロールを樽香と勘違いして樽シャルにした、とか。グルナッシュの醸造由来のバナナ香をキャンディ香と勘違いしてMBAにしちゃったとか。そしてその国、品種をイメージしてコメントを品種寄せちゃったとか。これは大事故です。
そのワインに向き合い、品種は間違ってもコメントが大枠合っていれば、6割くらいは取れます。しかし、前述のように品種に寄せて間違うと、2-3割しか取れなかったりします。もちろん、ワインを理解し品種まで当たれば8-9割取れます。品種を探ることは無意味ではないです。
しかし、このワインがこうだから、結果この品種、という、ワインに向き合うアプローチが正しいのであり、この品種っぽいから、こういうコメントにしよう、というアプローチは危険です。本質からも外れます。
例えば昨年のワインエキスパートのソーヴィニヨン・ブランやリースリングは、甲州やミュスカデだと思っても、コメントをしっかり取れていればそこそこ点数は取れるのです。
より大事なのはアルコール度数。
それでも、今からでもなにか学びたい!という方に一つだけアドバイスさせていただきます。僕は、試験で一番大切なのはアルコール度数だと、僕は考えています。アルコール度数が合えば、味わいはほとんど満点を取れます。
アルコール度数が分かれば、同じシャルドネでもナパとシャブリは間違えません(あくまでテストに出そうなものに限ります。ナパでもシャブリみたいなシャルドネはあります。)。アルコール度数を飲んだら0.5度単位で口に出してみる。そして正解を見て、その精度を上げていく。今やるとしてもこれくらいでいいでしょう。
その次はフランスか、イタリアスペインか、ニューワールドか、(例外的には日本か)、考えるようにする感じですが、それはまたの機会に。
とりあえず受験生の皆さん。まずは1次に集中しましょう。昨年から傾向が変わっています。健闘をお祈りしております!
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