カベルネ・フランは、主にフランスで生産される赤ワイン用ブドウ品種の一つです。実はカベルネ・ソーヴィニヨンの親。親しみやすいカベソー。
品種の特徴
カベルネ・フランは、親品種のカベルネ・ソーヴィニヨンに似ながらも、よりなめらかでフレッシュな味わいが特徴的です。
【タンニン】
カベルネ・ソーヴィニヨンのしっかりとしたタンニンに比べ、カベルネ・フランのタンニンは穏やかでなめらかな印象があります。渋みは控えめながらも、適度な骨格とキレを感じさせます。
【果実味】
赤系の果実味が中心で、チェリーやラズベリー、時にはプラムのような風味が感じられます。カベルネ・ソーヴィニヨンの濃厚な黒い果実味とは違い、フレッシュでフルーティな印象です。
【香り】
スパイシーでハーブのようなニュアンスが特徴的です。ハーブの青いニュアンスがカベルネ・フランの真骨頂です。
【色調】
ルビー色がかった濃いめの赤紫色が基本ですが、カベルネ・ソーヴィニヨンに比べると、全体的に色合いは少し薄めです。
【酸味】
適度なキレのある酸味を持ち、フレッシュな印象を与えてくれます。しっかりとした骨格があるものの、酸は荒くありません。
このようにカベルネ・フランは、カベルネ・ソーヴィニヨンより親しみやすく上品な味わいが特徴です。まろやかでフレッシュ、しかし複雑な個性も持ち合わせた品種と言えるでしょう。
主要産地
【フランス】
フランスでの主な産地はロワール地方やボルドー地方などです。ロワールでは、単一でも使われ、最近はオーガニックワインの原料にも使われます。ロワールでは、メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンドとして使われるケースが多いです。
【アメリカ】
最も栽培が盛んなのはカリフォルニア州です。中でもナパヴァレーやソノマヴァレーなどが産地となっています。
【カナダ】
カナダでは最も生産される黒ブドウの1つです。オンタリオやブリティッシュ・コロンビアなどで作られています。赤ワインだけでなく、アイスワインにも用いられます。
【日本】
密かに生産が増えている人気品種です。山梨や長野、新潟などで生産されています。
醸造スタイル
カベルネ・フランは、単一品種で造られることも、他の品種とブレンドされることも多い万能選手です。
【単一品種】 カベルネ・フランを100%で醸造したワインは、なめらかなタンニンと赤い果実味、スパイシーなニュアンスなど、品種本来の特徴が存分に表れます。
しかし、単一品種のカベルネ・フランは、骨格が少し単純で重厚さに欠けるという指摘もあります。そのため、より複雑味と奥行きを出すために、他品種とブレンドされることが多いのです。
【主なブレンド】 メルロー カベルネ・フランにメルローをブレンドすると、なめらかでフルーティなメルローの豊かな香りと丸みが加わり、味わいに複雑味が生まれます。
【飲み頃の目安】 さらにカベルネ・フランの特徴として、比較的早期に飲み頃を迎えるという点が挙げられます。多くのカベルネ・フランは、フレッシュな状態でも美味しく、5年程度まで素朴な果実味を楽しめ、7年から10年でピークを迎えるものもあります。過度に熟成させるとかえってフレッシュな個性が失われてしまう場合もあります。早めの飲み頃を心がけるのがおすすめです。
料理との相性
カベルネ・フランは、ミディアムボディでフレッシュな味わいが特徴的なため、様々な料理と好相性を発揮します。
【肉料理】
力強すぎずしなやかな渋みと酸味がポイントで、肉料理との相性が抜群です。 カベルネ・フランのタンニンが肉の旨味を引き立て、酸味が脂っこさを中和してくれます。ただ強いソースには負けちゃうこともあるので、シンプルな味付けの肉料理が良いでしょう。
- ステーキ ・ロースト肉(牛肉、ラム肉など)
- ミートソース
【チーズ】
比較的フレッシュな酸味とタンニンが、チーズの味わいを引き立ててくれます。 濃厚で熟成された硬質チーズが特に良く合います。
- チェダーチーズ
- パルミジャーノ・レッジャーノ
- ゴーダチーズ
【スパイシー料理】
カベルネ・フランにはスパイシーな風味があるため、香辛料を利かせた料理にも良く合います。ただ、激辛までは厳しいです。ワインのスパイシーさが料理の香りと絡み合い、相乗効果を生みます。
- カレー
- 中華料理
- メキシコ料理
ワインに負けない程よい味付けと香りが決め手となります。カベルネ・フランのミディアムボディな味わいは、デリケートすぎず重すぎず、様々な料理と相性が良いのが魅力です。
まとめ
カベルネ・フランは、フランスで主に生産されている黒ブドウ品種です。青い香りが特徴です。
この品種の最大の魅力は、フレッシュでなめらかな味わいにありながら、適度なタンニンと酸味で骨格もしっかりとしている点にあります。赤い果実を思わせる親しみやすい味わいと、スパイシーでハーブを連想させる複雑なニュアンスを併せ持っています。
醸造スタイルも多様で、単一品種で造られるものとブレンドされるものがあります。比較的早い時期が飲み頃とされ、長期熟成は向いていないのが特徴です。
料理とのマリアージュも抜群で、ステーキやロースト肉、チーズ、スパイシーな料理など、幅広い料理と好相性を発揮します。ミディアムボディの親しみやすい味わいが、デリケートすぎずと重すぎずベストマッチングしてくれるのです。
カベルネ・フランは、フレッシュで上品な味わいながら、料理との好相性も抜群で、しかも手頃な価格で気軽に愉しめる、まさに万能ワインです。ワイン初心者から上級者まで、幅広い層に愛されるのも納得の品種なのです。
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