先日、友人宅で開かれた持ち寄りのホームパーティー。メニューはなんと、和食オンパレード。お寿司に始まり、天ぷら、締めはすき焼き。普段はワインとフレンチやイタリアンを合わせることが多い僕ですが、この夜は「和食×ワイン」のマリアージュを改めて深掘りするきっかけになりました。
和食は繊細な出汁文化をベースにした味わい。塩分、旨味、甘味、そして香ばしさや酸味が織りなす奥深い世界。そんな和の味覚に、果たしてワインは本当に合うのか?
答えは、YES。
ただし、ちょっとした「選び方のコツ」があります。今回は和食の中でも人気の「寿司」「天ぷら」「すき焼き」にフォーカスし、それぞれにベストマッチのワインを紹介します。
1. 寿司 × ワイン:シャープで清潔感ある白が鍵
和食の王道、寿司とワインは合うのか?
多くの人が「寿司には日本酒」と考えますが、ワインでも美しく寄り添うことが可能です。ポイントはネタの脂や旨味に負けない、かつシャリの酸とのバランスを取れること。
特に白身魚やイカ、貝類など、繊細なネタには香りが控えめで酸のキレが良いワインがおすすめです。
🍷おすすめワイン:
【ドイツ】クロスター リースリング モーゼル Q.b.A.
- 価格帯:約1,500円(税込)
- 味わい:やや辛口/白
- 特徴:モーゼル地方のリースリングを使用したフレッシュでフルーティな白ワインです。程よい酸味と果実味が、寿司の繊細な味わいと調和します。
赤身やトロには?
軽めのピノ・ノワールや日本産のメルローも選択肢に。タンニンが少なく、果実味主体のタイプがシャリの酸と衝突せず心地よくまとまります。
2. 天ぷら × ワイン:泡と白で、油をさらりと流す
カラッと揚がった天ぷらに、ワインはどう合わせる?
天ぷらの香ばしさと油分を包み込みながら、すっと口の中をリフレッシュしてくれるワインが理想です。そこで登場するのがスパークリングワインや酸のしっかりした白ワイン。
特に、エビやキス、季節の野菜の天ぷらには、柑橘系の香りとミネラル感のある白が相性抜群。
🍷おすすめワイン:
【フランス・ロワール】ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ・シュール・リー
- 価格帯:約2,000円(税込)
- 味わい:白
- 特徴:ロワール地方のミュスカデ種から造られるこのワインは、爽やかな酸味とミネラル感が特徴です。天ぷらの軽やかな衣と油分をさっぱりと流し、素材の旨味を引き立てます。
タレで食べる天ぷらには?
ポン酢のような酸味にはシャブリやグリューナー・ヴェルトリーナーを。出汁ベースの天つゆには丸みのあるシャルドネが好相性です。

3. すき焼き × ワイン:赤ワインの真骨頂
甘辛い割り下ととろける牛肉、ワインと喧嘩しない?
「すき焼きに赤ワインなんて重すぎるのでは?」と思いがちですが、実はこれが意外なマリアージュ。
重要なのは甘辛い味付けに耐えうる果実味と、牛脂に合うまろやかなタンニン。タンニンが強すぎると、割り下の甘みに対して苦味に感じることがあるため、丸みのある赤ワインがベストです。
🍷おすすめワイン:
【スペイン・リオハ】マルケス・デ・リスカル リオハ レセルバ
- 価格帯:約2,500円(税込)
- 味わい:ミディアム〜フルボディ/赤
- 特徴:リオハを代表するテンプラニーリョ種主体の赤ワインです。熟した果実味とバニラのニュアンスが、すき焼きの甘辛い味付けと相性抜群です。
卵につけて食べるときは?
赤ワインの温度は少し低め(16℃前後)に。卵のまろやかさと赤の果実味が溶け合って、新感覚の味わいに。
和食とワインのマリアージュは“ニューノーマル”へ
かつては「和食にはワインが合わない」と言われていた時代もありました。しかし、ワインの多様化、そして私たちの味覚の柔軟性によって、和食とワインは、むしろ今が旬の組み合わせだと感じています。
寿司、天ぷら、すき焼き——どれも日本人のソウルフード。そこにほんの少しのワイン知識を加えるだけで、食卓がもっと豊かに、そして会話も弾むはずです。
最後に:和食とワインを自宅で試してみよう!
外食だけでなく、自宅で和食とワインのペアリングを楽しむのもおすすめです。例えば週末のディナーに、寿司をテイクアウトしてリースリングを冷やしておく。揚げたての天ぷらにスパークリングを添える。そんなちょっとした工夫が、「日常をちょっと贅沢に」してくれます。
また、ワイン選びに悩んだら、こちらのショップもチェックしてみてください。