なにが言いたいかというと、タンニンの質は大切ということと、飲み頃が大切ということです。ワインの資格を勉強していると学べない、でもこの要素はワインを楽しむうえで、本当に重要です。
ということで、10月の中旬、ワインメディアのWhy notさんの主催のブラインドテイスティングイベントに行ってまいりました。
目玉がオーパス・ワンとオルネライアで、全6種類ブラインド+ビュッフェ食事つきで7000円という信じられない価格のイベントでして、即申し込み、すぐに満席になった神イベントでした。ワインの解説は貴公子ワイン・ディレクターの田邊公一さん。
出されたワインはこんなラインナップです。総額20万円超え。
で、ブラインドして順位をつけるのですが、みんな同じ方向(エレガントめの旧世界~イタリアスペインっぽいフルボディ)なので、これがなかなか難しい。
なんとかつけた順位(1-3位)を提出した後、田邊さんからの銘柄の発表。
私が1位にしたのは・・・
1位 オーパス・ワン2019
香りは最初からボルドー品種だな、というミントのトーンに複雑な香り。
一番エレガントで飲みやすく、タンニンも総量は感じるけど、きめ細かくて不快さを一切感じさせない素晴らしい質、シルキーなテクスチャー、造りのレベルの高さを感じることは出来ました。タンニンのきめ細かさは6つのうちで1番だった。
さすが!としかいいようがない。でも80000円はなー、買えんな。
やはり良いワインは、タンニンの総量があっても質が高い。これは熟成させた飲み頃ワインも同じなのです。
ワインの質を評価するときは「タンニン」が、ざらざらするのか、細かいのか、意識してみてください。
続いて2位は・・・
2位 CVNE Real de Asúa Carromaza 2019
こちらもお値段は3万円近い。神イベント。こういうイベントは、ワイン仲間のネットワークを作っておくと情報入手しやすいです。
とにかく最初は香りが深くて、森林のような深淵を感じるワイン。スワリングすると心地よい甘い樽の香りがふわっと来る。タンニンもシルキーで、こちらも総量はある。上質なテンプラニーリョという感じです。
ちなみにこちらはテンプラニーリョ主体であり、単一ではないようです。だからこその深い香りだったのかもしれません。
最後3位は・・・
オルラネイア2019
スーパータスカンのこちらでした。注がれた瞬間オークの香りがプンプンしたので、只者ではないと思っていた。うっすらと杉のようなピラジン。ただオークのほうが支配的。上質なオーク、その裏から温度が上がると豊かな果実味と土のような適度な熟成香。色は一番オレンジ。でも、オークがアメリカンオークだと思ってテンプラニーリョだと思っていた。フレンチオークとアメリカンオークを区別できてないなあ。まだまだです。この辺も区別できるとよいのだろうけど。
ちなみに全体の1位はオーパス・ワン、3位がオルラネイアでして、2位だったのがこちら。
Château Montus La Tyre 2011
なんで、メディランのタナ。これが人気なのがびっくりでした。
タンニンがギシギシしてて、到底飲み頃じゃない。で、聞いてみたら、これが2011ビンテージなんだって!今日一のサプライズ。
これは3万円を超える価格。でも今日一番おいしくない。
でも2011でまだこんなに荒々しいなら、熟成を経て将来どんなワインになるのか、ポテンシャルの大きさを感じました。評価逆転。ワインのポテンシャルなら、これが一番じゃないかな?すごいねタナ。
やっぱり飲み頃大切ですよ。ワインのポテンシャルを味わうなら飲み頃で飲まないと。
このワインそのもの、ブドウの素晴らしさが良く分かりました。だから、少なくとも30年くらい熟成したビンテージを飲みたくなりました。
最近オールドビンテージをいただく機会が増えてきていて、やっぱり飲み頃の大切さを感じます。例えばブルゴーニュのグラン・クリュ、正直2010年台後半はまだ飲んで硬いし、このタイミングで飲むのはもったいない。
タンニンの質、酸、熟成して溶け込むワインのバランス。飲み頃はいつか?日頃から意識してワインライフを送りたいと思う一日でした。