バローロとバルバレスコ

ぶどう
  • ノブ(聞き手):ワインジャーナリスト
  • 志村さん(ソムリエ):ワイン愛好家
  • 大木さん(ワインエキスパート):ワインのエキスパートエクセレンス

ノブ:こんにちは、お二人とも。今日は、イタリア・ピエモンテ州の代表的なワインであるバローロとバルバレスコについてお話を伺いたいと思います。バローロは王、バルバレスコは女王に例えられ、同じ州で作られる有名なワインですね。バローロもバルバレスコもネッビオーロという黒ブドウから醸造されますが、まず、ネッビオーロというブドウ品種について教えていただけますか?

志村:こんにちは、ノブさん。ネッビオーロはピエモンテ州で最も重要な赤ワイン用ブドウ品種です。この品種は「霧」を意味する「nebbia」に由来していて、秋になるとブドウの果皮に霧がかかるのが特徴です。強いタンニンと高い酸味を持ち、非常に長期熟成に適したワインを生み出します。

大木:その通りです。ネッビオーロは非常に繊細なブドウで、栽培が難しいですが、その分、風味が非常に豊かで複雑です。


ノブ:なるほど。では、バローロの特徴について教えてください。

志村:バローロは「ワインの王、王のワイン」と称されるほど、その力強さと複雑さで知られています。力強いタンニンと高い酸味があり、熟成ポテンシャルが高いです。バラの花、タール、チェリー、トリュフなどの複雑な香りが広がります。

大木:バローロは通常、10年以上の熟成が可能で、30年以上の熟成ポテンシャルを持つものもあります。これにより、非常に深みのある味わいが楽しめます。


ノブ:それは素晴らしいですね。一方で、バルバレスコの特徴はどのようなものでしょうか?

志村:バルバレスコは、バローロと同じネッビオーロから作られていますが、よりエレガントで柔らかい印象があります。柔らかいタンニンとエレガントな酸味が特徴で、ラズベリー、バラ、スパイス、レッドベリーのニュアンスが楽しめます。

大木:バルバレスコはバローロよりも早く飲み頃を迎えます。通常、5~10年の熟成で十分に楽しめます。これにより、比較的早くからその魅力を楽しむことができます。


ノブ:なるほど、では、バローロとバルバレスコの産地の違いについても教えてください。

志村:バローロは、ランゲ丘陵地帯のバローロ村を中心とした11の村で生産されています。石灰岩質の土壌が多く、ワインに力強いタンニンと構造を与えます。また、標高が高いため、昼夜の温度差が大きく、ブドウがゆっくりと熟成することが特徴です。

大木:一方、バルバレスコはバルバレスコ村を中心とした3つの村で生産されています。ここは、バローロよりも低い標高に位置し、気候がやや温暖です。このため、ブドウが早く成熟し、より柔らかいタンニンを持つワインが生まれます。


ノブ:醸造過程に関しては、どのような違いがありますか?

志村:バローロは、発酵とマセレーション期間が長く、これにより強いタンニンと色素が抽出されます。また、法律により、バローロは最低3年間(うち2年間は樽内)熟成させる必要があります。リゼルヴァの場合は5年間の熟成が必要です。

大木:バルバレスコは、発酵とマセレーション期間が短く、よりフルーティーで柔らかいワインになります。バルバレスコは最低2年間(うち1年間は樽内)熟成させる必要があります。リゼルヴァの場合は4年間の熟成が必要です。


ノブ:なるほど。最後に、バローロとバルバレスコの楽しみ方についてアドバイスをいただけますか?

志村:はい。バローロとバルバレスコは、室温(約18度)で提供するのが理想です。温度が高すぎるとアルコール感が強くなり、低すぎると香りが十分に開きません。特に若いバローロは、デキャンタージュによってタンニンが柔らかくなり、香りが開くためおすすめです。

大木:また、大きめのボウル型のグラスを使用すると、ワインの香りが最大限に引き立ちます。食事とのペアリングでは、バローロは赤身肉やジビエ、トリュフを使った料理と相性が良いです。バルバレスコは、パスタ、リゾット、鶏肉料理、ハードチーズなどと合わせると、そのエレガントな風味が引き立ちます。


ノブ:お二人とも、今日はとても参考になるお話をありがとうございました。これからもバローロとバルバレスコを楽しみながら、その奥深い世界に浸ってみたいと思います。

トップページへ

タイトルとURLをコピーしました